会社概要
代表者挨拶
当社は「もなかの皮(最中種)」を製造し、お菓子屋様等に納める仕事をしております。
一般の方々はお菓子屋様で「もなかの皮」も製造していると考えている方が多いですが、ほとんどのお菓子屋様は最中種を専門に製造する会社から仕入れています。
和菓子屋様で取り扱われている最中種は一般的に餅またはもち米を加工したものを焼いて作られています。ご存じの通り餅はベタベタと付くので、いろいろな方法で対策し菓子型へ入れて焼いています。製造方法が異なれば味、香り、焼き色、食感などに違いを生じさせます。よく最中を食べると口のなかで最中の皮がくっ付くことを経験した方が多いと思いますが、この原因に製造方法と火加減などが影響しています。
弊社の原料となるもち米は新大正糯(しんたいしょうまい)という北陸地方で収穫される腰の強いものを使用し、特に地元石川県の白山麓近辺で収穫されるものに限定しています。その生米を100%使用して自社で製粉し原料となる餅を作っています。製粉したもち米で餅を搗く(つく)ときめ細かな餅となり、最中種が綺麗に仕上がります。この製粉には胴付きと呼ばれる落下式の鉄製の杵と臼で搗くため、騒音や振動が問題となり、乾燥粉に切り替える会社も増えています。しかし、生米を使用した方が、一般的に、香りや味が良くなります。
当社は創業100年を越えて昔ながらの職人気質の製造方法を行ってきましたが、少しずつ機械化も行っています。
副題に明記した「菓子職人のこだわりと工業技術者の挑戦」は、味・質にこだわる職人の会長と安定性・効率化を求めた工業技術者の私共が20年以上をかけ改善してきた思いを込めました。
機械化と言っても初めは、味に係ることには触れませんでした。焼き色に係る菓子型の焼成温度をグラフ化することで、最中種を焼く職人の火加減の調整の指標としたり、検品・箱詰め作業では一部に画像処理カメラを設置し異物の検出を行い、最中種の方向(向き)を揃える工程を機械化して行っています。
更には、餅延しの機械化も試みました。5種類程テストを行いましたが、同じ最中種にはならず断念しました。現在は餅を延した後、餅を短冊状に切り、ばんじゅうに並べるところまでを機械化しています。問題も発生しましたが、何とか抑えています。
機械化を進めていけば、製造時の作業員は減らすことができますが、清掃業務のときに増員する必要がでてきます。人材不足の現状では機械化が必要不可欠ですが、品質を変えては意味がありません。難しい課題であり、改めて職人のこだわりを機械化する難しさを痛感させられました。
最後に、当社は最中種の味と品質にこだわり製造してきました。これからも品質をほとんど変えずにどこまで機械化できるか挑戦できればと考えています。さらに、これからはSDGsも視野に入れ最中種を製造していく必要があると考えています。
概要
会社名 有限会社 伊関商店
住所 〒920-0806
石川県金沢市神宮2丁目3番13号
TEL:076-252-0436
FAX:076-251-5898
代表者 代表取締役 伊関 幸輝(イセキ コウキ)
設立年 明治(詳細不明)
資本金 1000万円
従業員数 10名
加入保険 雇用保険、労災保険、中退共(条件付きで有り)
休日 100日(祝日、日等、当社カレンダーによる)
勤務体系 シフト制(昼休憩45分)
事業内容 菓子製造(もなかの皮の製造)
会社の特徴
石川県のお菓子屋様及び北海道(帯広)株式会社 六花亭様の最中種を中心に製造しています。特に味にこだわり手作りが必要な工程と機械の方が安定し効率が上がる工程とを分業し製造しています。