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​伊関商店のこだわり

弊社は最中種の味と品質にこだわり製造しています。

特に味にこだわり手作りが必要な工程と機械の方が安定し効率が上がる工程とを分業し製造しています。

①原材料

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 もち米は石川県の白山麓近郊の鳥越村および鶴来町で栽培されている新大正糯(しんたいしょうまい)を使用しています。新大正糯の特徴は腰のあるもち米で、最中種にした時にしっかりとした製品になります。さらに、白山麓周辺で栽培しているため、平地よりも水が冷たくより上質なもち米を仕入れることができます。

 このもち米を米屋さんに精米してもらい、製粉機(写真1a)を使用して生米を自社にて製粉しています。もち米を製粉するのは蒸し上がりや餅を搗き上げたときの均一性を良くするためです。もち米には熱をもたせるとよくないので、鉄製の杵と臼で胴搗き(落下式)します。胴搗き(写真1b)で製粉すると、騒音・振動が問題になり、乾燥粉を使用するところも多いですが、味・香りが違います。

 製粉する前に、もち米を洗米機(写真1c)で洗米、浸水しますが、弊社では、この時に冷水器で生成した冷えた水を使用することで、1年間の水温の変動を抑えています。この結果、もち米粉(写真1d)は年中サラサラしています。

 もち米の浸水時間も吸水量を毎日測定し、定期的に調整しています。特にもち米を栽培している農家さんが変わったときなどは調整することが多いです。

​③餅つき

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 餅搗き後、職人が麺棒で延すので、ある程度延ばせる餅に調整しています。夏期は室温が高いので固めに搗き、冬期は室温が低いので柔らかめに搗くことが多いです。

 餅搗き機(図3)はクランク式を使用しています。餅の腰が強くなる胴搗き式(落下式)もありますが、使用を止めました。腰が強くなり過ぎて、職人が餅を延ばすためには多くの加水が必要となり、その結果、最中種の旨味が薄くなることがあるからです。

​⑤焼き

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 菓子型の付いた最中種焼成機に職人(写真5a,5b)が付き短冊状に切った餅を、更にそれぞれの最中種に合ったサイズに切って菓子型に入れて焼きます。人の手で餅を切り最中種を焼くのは、手で延ばした餅の厚さにはバラツキが多いためです。

 更に、火加減においては、放射温度計と温度表示モニター(写真5c)がすべての最中種焼成機に装備されていて、視覚で簡単に菓子型の温度変化を安定しているかを確認しています。

 例えば、モニターの線グラフが右上がりになっていくと菓子型の焼成温度が上昇中で最中種が黒く焦げていくことが予想されます。一方、線グラフが右下がりになっていくと菓子型の焼成温度が下降中で最中種が白くなっていくことが予想されます。

 また、頻繁に調整するガスコックにはガス圧メーターを装備することで微調整が用意となります。

​②蒸す

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 もち米を蒸すときは昔ながらのセイロ(写真2a)を使用しています。蒸し器には蒸練機という攪拌しながら蒸すタイプもありますが、餅が練られることが餅の腰を弱くすると考えて使用していません。

 また、セイロで蒸す餅も朝早々に最中種を焼くものから夕方に焼くものでは、餅粉を仕組む際の加水量を調整しています。写真2bは蒸す前の状態で、写真2cは蒸し上がり後の状態です。蒸し上がった餅を10分程度冷ましてから餅搗き機で搗きます。

​④餅を延ばす、切る、粉付け、ばんじゅうに並べる

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 搗き上がった餅を数mm程度に延ばしますが、これは職人(写真4a)が1枚ずつ麵棒を使用して5分ほどで延ばします。餅は冷めると固くなり延びなくなるので時間との戦いです。

 延ばした餅は短冊状に切りますが、弊社では、餅を切る(写真4b、4c右)、切り口に粉を付ける、ばんじゅうに並べるまでを特別な機械(写真4c)で行っています。写真4cは右側に餅切り機、中央に粉付け機、左側に餅入れ整列機(ばんじゅうに餅を並べる)が配置されています。

​⑥検品・箱詰め作業

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 基本的には人の目で1枚1枚表裏を確認して最中種を手で揃えて箱に詰めていきます。最中種の中には方向を揃えなければならないものもあり、そのような最中種は機械(図6c)を使用しています。 

 さらに機械のライン上に画像カメラを設置し、異物検出(図6a)にも使用しています。異物の検出感度はφ02mぐらいです(図6b)。但し、最中種は工業製品とは違い1枚1枚の餅跡や焼き色などが異なるので、正常品でもNG判定となることがよくあります。

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